松尾研究室では,適応制御やロバスト制御といった制御理論の研究を行っています.ここでは現在行われている研究の一例をご紹介します.(これまでの研究についてはここをクリック)
クアッドコプタの未知パラメータの適応推定
近年,測量・調査,警備,農業など様々な産業でドローンが利用され始めています.本研究室ではドローンの一種であるクアッドコプタを対象として,外乱と機体物理パラメータの推定をする適応推定機構を設計し,よりロバストなクアッドコプタの制御手法を研究しています.
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bitcraze社のクアッドコプタ | クアッドコプタの制御機構 |
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CAM植物の二細胞同期の解析
植物が生存するために行う光合成も「制御」と言えます.本研究室では,CAMと呼ばれる特殊な光合成リズムを持つ植物が光合成を行う時の制御メカニズムを解析しています.将来的に「砂漠の緑化」や「野菜工場の生産性向上」の技術として応用することを目指しています.図をクリックすると拡大します.
Replay attack による制御系への攻撃解析と検出
クローズドな制御系から,オープンな制御系へとシフトが進むにつれて,制御系はサイバー攻撃の対象になることが増えてきました.制御系の中でもフィードバック系に対するReplay attackを再生パターンを変えて解析し,検出されにくい攻撃の発見を研究しています.また,オブザーバーを用いたReplay attack検出器の設計条件の研究も行っています.今後は新たに導入したロボカーを対象にしてサイバー攻撃とそのモニタの性能を評価していく予定です.
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Replay attackの概要図 | ロボカー(ZMP社 RoboCar 1/10) |
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電力系統の適応故障検出器の設計
長期間停止しての分解点検が容易にできない環境にある電力系統システムの安定運用のためには,機器の運転中にその状態を監視し,異常を把握する予防保全技術が必須です.本研究室では,電気的出力のダイナミクスのみを用いて,送電線故障と母線電圧変動を検出するための適応推定器を設計しています.